19歳女性。
高校生の頃から、気がつくと授業中に眠っていることがしばしばあったが、夜間に受験勉強に励んでいることが原因と思っていた。
大学に入学後も、授業中に突然眠ってしまったり、夜間に悪夢を見たりした。
眠気により食生活が不規則にもなった。
心配になり、友人や家族に相談したところ病院受診を勧められた。
診察及び検査の結果、ナルコレプシーと診断され、処方1及び2で3ヶ月治療されたが、症状が改善されないため、処方1が処方3に変更となった。
(処方1)
モダフィニル錠100 mg 1回2錠(1日2錠)
1日1回 朝食後 14日分
(処方2)
クロミプラミン塩酸塩錠25 mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 就寝前 14日分
(処方3)
メチルフェニデート塩酸塩錠10 mg 1回2錠(1日4錠)
1日2回 朝昼食後 14日分
本症例に関する病態、検査及び薬物療法に関する記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
正答
解説
厚生労働省の発表により、本問は選択肢1、3、4のいずれか2つを選択すれば正解とする特殊な採点が行われた。
ナルコレプシーの診断では、終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)で他の睡眠障害を除外したうえで、反復睡眠潜時検査(MSLT)により入眠潜時の短縮と入眠時レム睡眠期の出現を確認することが有用である(1)。
処方3のメチルフェニデート塩酸塩は精神刺激薬で耐性・依存性が問題となりやすく、処方1のモダフィニルより依存性が高い(3)。
処方2のクロミプラミン塩酸塩は、情動脱力発作(カタプレキシー)・入眠時幻覚・睡眠麻痺といったREM睡眠関連症状の改善を目的として用いられる(4)。
一方、アトモキセチン塩酸塩は注意欠陥・多動症(AD/HD)の治療薬であり、ナルコレプシーの日中の過度の眠気に対して用いる薬物ではないため2は誤り。
規則正しい食生活と睡眠習慣の確立(規則的な睡眠スケジュール、計画的な短時間の昼寝など)はナルコレプシー治療の基本であり、これを推奨しないとする5も誤りである。