生体における化学反応は約37 ℃で進行するが、化学反応は温度の影響をうけるため熱力学パラメーターの温度依存性を知ることは重要なことである。
圧力一定条件下での温度Tと熱力学パラメータ(ΔrG°、ΔrH°、TΔrS°)の関係が図のようになる化学反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
ただし、ΔrG°、ΔrH°、ΔrS°は、それぞれ標準反応ギブズエネルギー、標準反応エンタルピー、標準反応エントロピーを表す。
(下図を参照:横軸Tは左が低温・右が高温。ΔrG°は右上がりの直線でT2で0を横切る。ΔrH°はほぼ水平な直線(負の値)。TΔrS°は右下がりの直線。T1はΔrG°とTΔrS°がおよそ交わる温度、T2はΔrG°=0かつΔrH°とTΔrS°が交わる温度。)
正解を2つ選んでください。
正答1・3
解説
正解は1と3。
ΔrH°のグラフはほぼ一定で負の値をとるため、この反応は発熱反応である。
T2ではΔrG°=0すなわちK=1であり、T2より高温側ではΔrG°>0となるのでK<1である。
低温側ではΔrH°(負で絶対値が大きい)がΔrG°を支配しTΔrS°の寄与は小さいためエンタルピー駆動であり、エントロピー駆動とする4は誤りである。
またT1での平衡定数はΔrG°がより負である分T2でのそれより大きく、「小さい」とする2も誤りである。
5については、実際に反応が進む向きを決めるのは標準状態のΔrG°ではなくΔrG=ΔrG°+RT ln Q(Qは反応物と生成物の濃度から決まる反応商)であり、T2より低温側でΔrG°<0であっても初期濃度によってQがKを上回れば反応は逆向きに進むため、進行方向は初期濃度に依存する。