検体中における、ある微生物の存在を調べるために、リアルタイムPCR法を実施した。
以下に示す測定手順で行い、測定した結果を図に示す。
この実験に関する記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
測定手順
3つの検体(試料1〜3)をサンプルチューブに別々に採取し、それぞれにDNA抽出用の試薬を加える。
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抽出したDNAを定量する。
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各検体から一定量のDNAを別々のチューブに取り、それぞれのチューブに二本鎖DNAを検出する蛍光色素、デオキシヌクレオチド混合物、プライマー1組、酵素を含む反応液を加えて、PCRを開始する。
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蛍光強度を測定することで、反応産物が増幅されていく経過を追いながら、PCRを約40サイクルまで繰り返す。
(下図:横軸サイクル数(10〜30以上)、縦軸蛍光強度のS字増幅曲線。試料1・試料2・試料3の順に立ち上がりが早く、破線の閾値と交差するサイクル数はそれぞれ約20、23、26。*閾値:設定したある蛍光強度の値。)
正解を2つ選んでください。
正答4・5
解説
正解は4と5。
リアルタイムPCR反応液は95℃前後の熱変性ステップに耐える必要があるため、耐熱性DNAポリメラーゼ(Taqポリメラーゼ等)を用いる。
サイクル数が進むにつれ蛍光強度曲線が頭打ちになるプラトー相の主な原因は、反応の進行に伴いデオキシヌクレオチドやプライマーなどの試薬が消費・枯渇することにある。
なお本測定手順はDNAを抽出してそのままPCRにかけるもので逆転写(RT)の工程を含まないため、ゲノムがRNAであるRNAウイルスは検出できず、細菌・DNAウイルス・RNAウイルスのすべてを検出できるとする2は誤りである(RNAウイルスの検出にはRT-PCRが必要)。
また図のCt値(閾値到達サイクル)は試料1が最も小さく(約20)、Ct値が小さいほど鋳型量が多いので存在量が最も多いのは試料1であって試料3ではない。
試料1と試料3のCt差は約6サイクルで、1サイクルごとに理論上2倍に増幅されるため存在量比は約2^6=64倍程度であり、10^6倍ではない。