問216-217 75歳男性。
3年前にパーキンソン病と診断され、レボドパ100 mg・カルビドパ配合錠 1日3錠、トリヘキシフェニジル塩酸塩錠2 mg 1日3錠で薬物治療を継続していた。
3ヶ月前にレボドパ100 mg・カルビドパ配合錠が1日5錠に増量になり(処方1)、さらに、今回から処方3が追加になった。
処方2は、用法・用量の変更はなく継続中である。
(処方1)
レボドパ100 mg・カルビドパ配合錠 1回1錠(1日5錠)
1日5回 7時、10時、13時、16時、20時 14日分
(処方2)
トリヘキシフェニジル塩酸塩錠2 mg 1回1錠(1日3錠)
1日3回 朝昼夕食後 14日分
(処方3)
プラミペキソール塩酸塩水和物徐放錠0.375 mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 14日分
問217(物理・化学・生物)
この患者に起きていると考えられる生体内変化はどれか。
2つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答1・4
解説
正解は1と4。
パーキンソン病は黒質緻密部のドパミン作動性ニューロンが変性・脱落し線条体へのドパミン投射が減少する疾患である。
線条体では本来ドパミンがコリン作動性介在ニューロンを抑制しているため、ドパミン減少によりこの抑制が減弱し相対的にアセチルコリン系が優位となる(そのため抗コリン薬トリヘキシフェニジルが有効となる)。
したがってアセチルコリン放出はむしろ増加しており、2は誤りである。
またドパミン神経終末が脱落するとトランスポーターによる再取り込みが減り、放出されたドパミンはグリア細胞のMAO-BやCOMTによる分解を受けやすくなるため、線条体でのドパミンの分解は低下ではなくむしろ亢進する(3は誤り)。
ドパ脱炭酸酵素(芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素)は肝臓・腎臓・消化管粘膜などの末梢組織の細胞内に存在する酵素で「末梢血液中」の酵素ではなく、カルビドパによる末梢での阻害も3年前から続く配合錠の薬理作用であって、今回この患者に生じた生体内変化ではない(5は誤り)。