正答4
解説
正解は4です。
一方弁と側孔の付いた気管カニューレを装着した患者で、困難になる動作を問う問題です。
図の所見は次のとおりです。
カニューレの外側の口には一方弁が付いており、吸気は弁から入り、呼気は弁から出られない構造です。
管の上面(背側)には側孔があり、呼気は側孔を通って喉頭・口の方へ流れます。
つまりこの患者は、吸気は気管孔から、呼気は喉頭と口からという流れになります。
【選択肢別解説】
1:× 可能です。
呼気は側孔から喉頭へ送られ声帯を通るため、発声ができます。
2:× 可能です。
口すすぎは口に含んだ水を口の中で動かす動作で、呼吸の経路の影響をほとんど受けません。
3:× 可能です。
呼気を声門の下にためてから一気に出せるため、随意的な咳ができます。
4:○ 最も難しい動作です。
ストローで飲むには口から息を吸い込んで口腔内を陰圧にする必要がありますが、吸気は抵抗の少ない一方弁から入ってしまうため、口から吸う力が生まれにくくなります。
5:× 可能です。
ロウソクの炎の吹き消しは口から息を吐く動作で、呼気は側孔から上気道へ流れるので行えます。
【ポイント】
一方弁(スピーチバルブ)付きのカニューレは、呼気を上気道に通すことで発声や咳を可能にします。
吸気の経路が気管孔になるため、口や鼻から吸う動作(ストロー吸飲やにおいをかぐ動作)は難しくなります。
【用語】
気管カニューレ:気管切開で開けた穴に入れて、空気の通り道を確保する管である。
一方弁:空気を一方向にだけ通し、逆向きには通さない弁である。
側孔:カニューレの管壁に開けられた小さな穴で、呼気を声帯の方へ逃がす役割をもつ。
随意的な咳:本人が意識して出す咳のことで、声門を閉じて息をため、一気に出して行う。