正答2
解説
正解は2です。
広帯域サウンドスペクトログラムから語を読み取る問題です。
図の横軸は時間(0〜0.9秒)、縦軸は周波数(0〜8kHz)です。
【図の所見】
0.03〜0.1秒には、約2kHz以上に弱い不規則な雑音があります。
これは無声破裂音[k]の破裂と、それに続く気息の雑音です。
0.1〜0.2秒には、声帯振動の縦縞とフォルマントの横縞を持つ有声の母音が続きます。
0.2〜0.4秒には声帯振動の縦縞がなく、約4kHz以上に強い雑音が広がっています。
これは高い周波数に集中する無声摩擦音[s]の特徴で、後続の「ス」の母音は無声化していると読めます。
0.4〜0.5秒は空白で、無声破裂音の閉鎖区間です。
0.5秒付近の破裂に続いて有声の母音があり、0.6秒過ぎに短い途切れを挟んで再び母音が続きます。
この短い途切れは弾き音のラ行子音と考えられます。
つまり「無声破裂+母音、[s](無声化した母音)、閉鎖+破裂+母音、弾き音+母音」の並びで、「かすてら」に一致します。
【選択肢別解説】
1:× 「べっさつ」は有声破裂音[b]で始まり、促音の長い無音の後に摩擦音が来ます。
さらに語末は破擦音「ツ」で、摩擦の雑音を伴います。
図は摩擦音の後に閉鎖と破裂があり、有声の母音で終わっているので合いません。
2:○ 「かすてら」は、[k]の破裂、母音、[s]の強い高域雑音、[t]の閉鎖と破裂、母音、弾き音、母音の順です。
図の時間的な並びとすべて一致します。
3:× 「まっしろ」は鼻音[m]で始まるため、語頭に低い周波数の鼻音の区間が現れます。
また「シ」の摩擦音は[s]より低い2〜3kHz付近から雑音が始まります。
4:× 「かせき」では摩擦音の直後に有声の「エ」が続くはずです。
図では摩擦音の直後に閉鎖区間があり、語末も「キ」ではなく弾き音を挟んだ母音なので合いません。
5:× 「かしつ」は「シ」の摩擦音の後に語末の破擦音「ツ」が来ます。
図の後半は有声の母音が2つ続いており、語末に摩擦の雑音がないので合いません。
【ポイント】
スペクトログラムでは、無音区間は閉鎖、高域の不規則な雑音は摩擦、縦縞は声帯振動を表します。
[s]は約4kHz以上、[ɕ](シ)はそれより低い帯域から雑音が始まる点で区別できます。
【用語】
サウンドスペクトログラム:音を時間、周波数、強さの3つで表した図で、音声の分析に用いる。
広帯域:時間分解能に優れた分析条件で、声帯振動が縦縞として現れる。
閉鎖:声道を完全にふさいで息を止めることで、スペクトログラム上では無音の区間となる。