正答4
解説
正解は4です。
形態音韻論的交替を問う問題です。
この問題は交替でないものを選ぶので、○ が答え(形態音韻論的交替でないもの)です。
形態音韻論的交替とは、同じ形態素が、結びつく環境によって別の音素の形をとる現象です。
【選択肢別解説】
1:× 「発」は「開発」ではhatu、「反発」ではpatuとなり、/h/と/p/という別の音素が交替しています。
形態音韻論的交替です。
2:× 「雨」は単独ではame、「雨足」ではamaとなり、/e/と/a/が交替しています(転音)。
形態音韻論的交替です。
3:× 受身の形態素は、子音語幹の動詞では-are-、母音語幹の動詞では-rare-となります。
語幹によって形が変わる形態音韻論的交替です。
4:○ 撥音は後ろの子音に合わせて[n]や[m]で発音されますが、音素としては同じ撥音/N/です。
音素が入れ替わるのではなく、同じ音素の異音による変化なので、形態音韻論的交替ではありません。
5:× 「鳥」は単独ではtori、「雛鳥」ではdoriとなり、/t/と/d/が交替しています(連濁)。
形態音韻論的交替です。
【ポイント】
連濁や転音のように音素自体が入れ替わる変化が、形態音韻論的交替です。
撥音の[n][m][ŋ]の違いは、同じ音素/N/の異音として扱われます。
【用語】
形態音韻論的交替:同じ形態素が、環境により異なる音の形で現れる現象である。
連濁:複合語で後ろの要素の語頭の清音が濁音に変わる現象である。
異音:同じ音素の、環境によって違って現れる音のバリエーションである。
撥音:日本語の「ん」にあたるはねる音で、後続する音により発音が変わる。
転音:複合語になるとき、前の要素の末尾の母音が別の母音に変わる現象である。