正答5
解説
正解は5です。
失語症の復唱障害の要因を問う問題です。
この問題は要因でないものを選ぶので、○ が答え(要因でないもの)です。
復唱は、音を聞き分け、一時的に保持し、音韻を組み立てて発語する過程で成り立ちます。
【選択肢別解説】
1:× 音韻処理が障害されると、聞いた語の音を正しく組み立てられず、音韻性錯語が出ます。
復唱障害の要因になります。
2:× 語音の認知が障害されると、聞いた音そのものを正しくとらえられません。
復唱障害の要因になります。
3:× 発語運動が障害されると、音を正しく理解し保持していても、正確に発音できません。
復唱障害の要因になります。
4:× 聴覚的把持(聞いた音をしばらく覚えておく力)が低下すると、長い語や文を復唱できなくなります。
復唱障害の要因になります。
5:○ 復唱は、意味がわからない語や無意味語でも行うことができます。
超皮質性失語では語の意味理解が障害されても復唱は保たれるので、意味理解障害は復唱障害の要因ではありません。
【ポイント】
復唱が保たれる失語は超皮質性失語、復唱が特に障害される失語は伝導失語です。
復唱障害を評価するときは、語音認知、把持、音韻、発語運動のどこで障害されているかを考えます。
【用語】
復唱:聞いた言葉をそのまま繰り返して言う課題で、失語の評価に用いる。
聴覚的把持:聞いた音声の情報を短い時間保持して覚えておく働きである。
語音認知:聞こえた音を言語音として聞き分けて認識する働きである。
音韻処理:語を構成する音の並びを扱う処理で、障害されると音の誤りが生じる。
発語運動:音を実際に口から出すための、唇や舌など発声発語器官の運動のことである。