正答1
解説
正解は1です。
失語症の原因となる脳血管の閉塞部位を問う問題です。
言語野は多くの人で左大脳半球にあり、ブローカ野とウェルニッケ野はどちらも左中大脳動脈の灌流域にあります。
【選択肢別解説】
1:○ 中大脳動脈はブローカ野、ウェルニッケ野、弓状束を含む大脳外側面を灌流します。
そのため、閉塞によって失語症を起こすことが最も多い血管です。
2:× 椎骨動脈の閉塞では延髄外側症候群(ワレンベルグ症候群)などが起こります。
失語症の原因になることは少ない血管です。
3:× 後大脳動脈の閉塞では同名性半盲や純粋失読、健忘などが起こります。
失語症を起こす頻度は中大脳動脈より低くなります。
4:× 脳底動脈の閉塞では脳幹の障害による意識障害や四肢麻痺、閉じ込め症候群などが起こります。
大脳の言語野を灌流しないため、失語症の原因にはなりにくい血管です。
5:× 前大脳動脈の閉塞では下肢優位の片麻痺や自発性の低下が起こります。
補足運動野の障害で超皮質性運動失語を起こすことはありますが、頻度は高くありません。
【ポイント】
失語症の原因の多くは左中大脳動脈領域の脳梗塞です。
前大脳動脈は超皮質性運動失語、後大脳動脈は純粋失読と、例外もあわせて覚えましょう。
【用語】
中大脳動脈:大脳半球の外側面の広い範囲に血液を送る動脈で、言語野もその領域に含まれる。
椎骨動脈:首の骨の中を通って脳幹や小脳に血液を送る動脈である。
後大脳動脈:後頭葉や側頭葉の下面などに血液を送る、脳の主要な動脈の一つである。
脳底動脈:左右の椎骨動脈が合流してできる、脳幹や小脳に血液を送る動脈である。