6歳3ヵ月の男児。
失調性低緊張のある脳性麻痺。
主訴はコミュニケーションがとりにくい。
遠城寺式乳幼児分析的発達検査法にて対人関係2歳、発語9ヵ月、言語理解1歳9ヵ月レベル。
言語訓練プログラムの作成において優先度が低いのはどれか
正答5
解説
正解は5です。
この児は、失調性低緊張型の脳性麻痺で、言語理解が1歳9か月レベル、発語が9か月レベルと、表出が理解より大きく遅れています。
運動障害のために音声で話すことが難しく、コミュニケーションが成立しにくい状態です。
【選択肢別解説】
1:× 信頼関係の構築は優先度が高い課題です。
コミュニケーションの基盤として、まず安心してやりとりできる関係を作ります。
2:× やり取りの成立は優先度が高い課題です。
主訴であるコミュニケーションのとりにくさを改善するために、相手と交互にやりとりする経験を積みます。
3:× 身振りの増加は優先度が高い課題です。
音声で話すことが難しいため、身振りなどの代替手段で意思を伝えられるようにします。
4:× 音声言語の理解は優先度が高い課題です。
理解は表出より進んでいるので、さらに伸ばして語彙や語連鎖の理解を広げます。
5:○ 音声言語の表出は優先度が低い課題です。
運動障害によって発語が9か月レベルにとどまっており、まずは身振りなどの代替手段でコミュニケーションを成立させることを優先します。
【ポイント】
運動障害を伴う場合は、音声にこだわらず、身振りや拡大・代替コミュニケーション(AAC)を早期から活用します。
理解と表出の差が大きいことは、表出手段の工夫が必要なサインです。
【用語】
失調性低緊張:筋緊張が低く、姿勢の保持や動きの協調がうまくいかない状態で、脳性麻痺の一病型にみられる。
脳性麻痺:生まれる前後に生じた脳の損傷により、運動や姿勢に障害が起こる状態である。
拡大・代替コミュニケーション:音声での表出が難しい人が、身振りや絵、機器などを使って意思を伝える方法の総称である。