正答4
解説
正解は4です。
軟口蓋を切除すると、鼻咽腔を閉じる組織そのものが失われ、重度の開鼻声になります。
欠けた部分を補う装置が必要です。
【選択肢別解説】
1:× 人工喉頭は、喉頭を摘出して声帯を失った人の代用音声のための器具です。
開鼻声の改善には用いません。
2:× 舌接触補助床(PAP)は、口蓋の形を厚くして舌と口蓋が接触しやすくする装置です。
舌切除後などの構音や嚥下の改善に用います。
3:× 軟口蓋挙上装置(PLP)は、麻痺して動かない軟口蓋を持ち上げる装置です。
軟口蓋そのものが残っていることが前提なので、切除後には適しません。
4:○ バルブ型スピーチエイドは、後方に付けた栓(バルブ)で鼻咽腔の欠損部をふさぐ装置です。
軟口蓋の組織が失われた場合でも、物理的に閉鎖を補うことで開鼻声を改善できます。
5:× スピーチカニューレは、気管切開をしている人が発声できるようにするための気管カニューレです。
開鼻声には用いません。
【ポイント】
軟口蓋の「組織の不足」にはバルブ型スピーチエイド、「動きの不足(麻痺)」には軟口蓋挙上装置と区別します。
どちらも鼻咽腔閉鎖不全を補う補綴装置です。
【用語】
開鼻声:発音の際に息が鼻へ抜けすぎるため、声が鼻にかかって聞こえる状態を指す。
バルブ型スピーチエイド:軟口蓋の欠損部分を補い、鼻咽腔の閉鎖を助ける口腔内装置である。
軟口蓋挙上装置:麻痺で動きの悪い軟口蓋を持ち上げ、鼻咽腔の閉鎖を助ける口腔内装置である。
スピーチカニューレ:気管切開をした人が発声できるよう、呼気を声門へ通す工夫がされた気管カニューレである。
鼻咽腔閉鎖不全:発話や嚥下のときに、軟口蓋と咽頭壁で鼻への通路を十分に閉じられない状態である。