正答5
解説
正解は5です。
半側空間無視は、大脳半球の損傷と反対側の空間にある刺激に気づかない、反応しない、注意を向けない症状です。
主に右半球の頭頂葉損傷で生じ、左側の無視が多くみられます。
【選択肢別解説】
1:× 半側空間無視では、症状に対する病識がないことが多いです。
自分が左側を見落としていることに気づかない病態失認を伴うこともあります。
2:× 一側視野にある対象に気付かないのは、同名半盲などの視野障害の説明です。
半側空間無視は視野の欠損ではなく空間への注意の障害で、視野障害がなくても生じ、顔を向けても無視が続きます。
3:× 左半球損傷による方が重症ではありません。
右半球損傷による左半側空間無視の方が、頻度が高く重症で持続しやすいです。
4:× 行動観察から症状を見つけることは難しくありません。
食事で左側のおかずを残す、左側の物にぶつかるなど、日常生活の行動から見つけやすい症状です。
5:○ 記述は正しいです。
半側空間無視は視覚だけでなく、聴覚や体性感覚の刺激に対しても起こり得ます。
【ポイント】
評価には線分二等分試験、線分抹消試験、模写試験などを含むBIT行動性無視検査を用います。
右半球が左右両方の空間に注意を向けるのに対し、左半球は右側にしか注意を向けないため、右半球損傷で無視が強くなると説明されます。
【用語】
半側空間無視:大脳半球の損傷と反対側の空間にある刺激に気づかず、反応しない症状である。
病態失認:自分に麻痺などの症状があることを、認識できなくなっている状態を指す。
同名半盲:両眼の同じ側の視野が欠ける視野障害で、視覚の経路の損傷によって起こる。
線分二等分試験:横線の中心と思う所に印をつけさせ、空間の偏りを調べる検査である。
BIT行動性無視検査:線分抹消や模写などの課題を通して、半側空間無視の有無や程度を調べる検査である。