正答3
解説
正解は3です。
この問題は誤っているものを選ぶので、○ が答え(誤った記述)です。
ある音が別の音によって聞こえにくくなる現象をマスキングといいます。
マスキングの程度は、妨害音(マスカー)と聞きたい音の周波数の関係によって変わります。
【選択肢別解説】
1:× 周波数が一致するとき、雑音を10dB強くすると純音の閾値も10dB上がるという記述は正しいです。
妨害音と同じ周波数帯では、妨害音のレベルが上がった分だけ閾値もほぼ同じだけ上昇します。
2:× 周波数が一致するときにマスキングが最大になるという記述は正しいです。
同じ聴覚フィルタ(臨界帯域)に入る成分どうしほど、強く妨害し合います。
3:○ 純音の周波数が雑音より低い方がマスキングされやすいという記述は誤りです。
マスキングは妨害音より高い周波数の側に広がりやすく、純音が雑音より高い場合の方が強くマスキングされます。
これをマスキングの上方への広がりといいます。
4:× 左右の耳に別々に与えてもマスキングが生じるという記述は正しいです。
反対側の耳に与えた雑音でも、中枢での相互作用により閾値がわずかに上がります。
これを中枢マスキングといいます。
5:× 同時に提示しなくてもマスキングが生じるという記述は正しいです。
妨害音の直後や直前の音が聞こえにくくなる現象を、継時マスキングといいます。
【ポイント】
「低い音は高い音をマスキングしやすい」と覚えましょう。
同時マスキング、継時マスキング、中枢マスキングの区別も頻出です。
【用語】
狭帯域雑音:中心周波数付近の狭い範囲だけの成分をもつ雑音で、マスキングの実験に使われる。
最小可聴域:ちょうど聞き取れる最も小さな音の大きさ(最小可聴値)を指す。
マスキング:ある音が、別の音の存在によって聞こえにくくなる現象である。
継時マスキング:妨害音の直前や直後に出た音が、時間をずらしても聞こえにくくなる現象である。
中枢マスキング:一方の耳に与えた雑音が、中枢での相互作用により反対側の耳の閾値を上げる現象である。
臨界帯域:ある周波数の音の聞こえに影響を及ぼす周波数の範囲で、聴覚のフィルタの幅にあたる。