正答5
解説
正解は5です。
「財布を盗まれた」と確信する症状は、物盗られ妄想と呼ばれます。
置き忘れたことを覚えておらず、身近な人が盗ったと思い込むものです。
【選択肢別解説】
1:× 血管性認知症で物盗られ妄想が高頻度にみられるわけではありません。
意欲の低下や感情失禁、まだら状の認知機能低下が特徴です。
2:× 皮質基底核症候群では、物盗られ妄想は特徴ではありません。
左右差の強い筋強剛、失行、他人の手徴候などがみられます。
3:× 進行性核上性麻痺では、物盗られ妄想は特徴ではありません。
垂直方向の眼球運動障害、転倒しやすさ、前頭葉機能の低下が特徴です。
4:× レビー小体型認知症で特徴的なのは、物盗られ妄想ではなく、ありありとした幻視です。
認知機能の変動、パーキンソニズム、レム睡眠行動障害もみられます。
5:○ アルツハイマー型認知症では、物盗られ妄想が高頻度にみられます。
近時記憶の障害でしまった場所を忘れ、それを他人のせいにすることで生じます。
【ポイント】
「アルツハイマー型=物盗られ妄想」「レビー小体型=幻視」「前頭側頭型=脱抑制・常同行動」と、認知症の種類と特徴的な症状を対応させて覚えます。
【用語】
物盗られ妄想:財布などの置き忘れを覚えておらず、誰かに盗まれたと思い込む妄想である。
アルツハイマー型認知症:記憶障害で始まり、緩やかに進行する、最も頻度の高い認知症である。
レビー小体型認知症:幻視や認知機能の変動、パーキンソニズムを特徴とする認知症である。
進行性核上性麻痺:垂直方向の眼球運動障害や、転びやすさを特徴とする神経変性疾患である。
皮質基底核症候群:左右差のある筋強剛や失行、他人の手徴候を特徴とする症候群である。
血管性認知症:脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が原因で起こる認知症である。