正解を2つ選んでください。
正答1・5
解説
正解は1と5です。
内耳に毒性のある薬剤(耳毒性薬剤)のうち、難聴が回復しにくいものを選ぶ問題です。
内耳の有毛細胞が死滅すると、再生しないため難聴は不可逆になります。
【選択肢別解説】
1:○ アミノ配糖体系抗菌薬は不可逆的な難聴をきたします。
ストレプトマイシンやゲンタマイシンなどが有毛細胞を傷つけ、高音域から聴力が低下します。
2:× マクロライド系抗菌薬による難聴は、多くは可逆的です。
大量に使用したときに起こることがありますが、中止すると回復することが多いです。
3:× ループ利尿薬による難聴は、多くは可逆的です。
内耳のリンパ液の組成が一時的に変わることで起こり、中止すると回復することが多いです。
4:× 抗マラリア薬(キニーネなど)による難聴は、多くは可逆的です。
耳鳴りや難聴が生じても、中止すると回復することが多いとされます。
5:○ 白金製剤は不可逆的な難聴をきたします。
シスプラチンなどの抗がん剤が有毛細胞を傷つけ、高音域から聴力が低下します。
【ポイント】
不可逆的な耳毒性の代表は、アミノ配糖体系抗菌薬とシスプラチンです。
投与中は聴力検査を行い、高音域の聴力低下を早く見つけることが大切です。
【用語】
耳毒性薬剤:内耳の有毛細胞などを傷つけて、難聴や耳鳴り、めまいを引き起こす薬剤の総称である。
アミノ配糖体系抗菌薬:ストレプトマイシンなどを含む抗菌薬で、内耳の有毛細胞を傷つけ難聴をきたすことがある。
白金製剤:シスプラチンなどの抗がん剤で、内耳の有毛細胞を傷つけ難聴をきたすことがある。
ループ利尿薬:尿の量を増やして体液を減らす薬で、内耳に影響して難聴をきたすことがある。
マクロライド系抗菌薬:細菌のたんぱく質合成を妨げる抗菌薬の一群で、呼吸器感染症などに広く使われる。