74歳の男性。
学童期に全盲になった。
50歳過ぎから難聴が出現し補聴器を装用していたが、半年前に悪化し補聴器を装用しても全く音を感じられなくなった。
有用な手段はどれか。
2つ選んでください
正解を2つ選んでください。
正答3・4
解説
正解は3と4です。
学童期から全盲で、高齢になって聴覚もほぼ完全に失った盲ろうの事例です。
視覚に頼る手段は使えないため、触覚や、聴覚の再獲得を目指す手段を考えます。
【選択肢別解説】
1:× 筆談は有用ではありません。
書かれた文字を目で読むことが前提のため、全盲の人には使えません。
2:× 手話は有用ではありません。
通常の手話は目で見て理解するため、全盲の人には使えません。
触って理解する触手話もありますが、高齢で新たに習得するのは容易ではありません。
3:○ 点字は有用です。
学童期から全盲であれば、点字を習得している可能性が高いです。
点字の読み書きによって、文字での情報のやり取りができます。
4:○ 人工内耳は有用です。
補聴器でも音を感じられない高度感音難聴は人工内耳の適応で、高齢でも手術が可能です。
50歳過ぎまで聞こえていたため、言語を音で聞いていた経験があり、効果が期待できます。
5:× 無線補聴援助システムは有用ではありません。
補聴器と組み合わせて音を届ける仕組みのため、補聴器で全く音を感じない状態では効果がありません。
【ポイント】
盲ろう者のコミュニケーション手段には、点字、指点字、触手話、手書き文字などがあります。
本人がすでに使える手段と、聴覚の回復の可能性の両方から考えましょう。
【用語】
盲ろう:視覚と聴覚の両方に障害があり、情報の入手やコミュニケーションが困難な状態である。
点字:6つの点の組合せで文字を表し、指で触って読む文字である。
人工内耳:補聴器で効果がない高度の感音難聴に対し、内耳に電極を埋め込んで聞こえを補う装置である。
無線補聴援助システム:話し手の声を無線で補聴器に直接届け、雑音や距離の影響を減らす仕組みである。
触手話:手話をしている人の手に触れて、手の動きを読み取る手話の方法である。
筆談:文字を書いて意思を伝える方法で、読む側は文字が見える必要がある。