正解を2つ選んでください。
正答4・5
解説
正解は4と5です。
両側の声帯が正中(閉じた位置)で固定されると、声門が狭くなり呼吸困難を起こします。
声はある程度保たれるため、治療の目的は声門を広げるか、声門を迂回して気道を確保することです。
【選択肢別解説】
1:× 甲状軟骨形成術I型は、声帯を内側へ寄せて声門閉鎖を強める手術です。
一側声帯麻痺の気息性嗄声に用いるもので、気道をさらに狭めてしまいます。
2:× 甲状軟骨形成術II型は、甲状軟骨を正中で開いて声帯を外側へ広げる手術です。
主に内転型痙攣性発声障害の声の詰まりに用いるもので、両側声帯正中固定の気道確保の手術ではありません。
3:× 声帯内脂肪注入術は、声帯に脂肪を注入して膨らませ、声門閉鎖を改善する手術です。
気道を狭める方向に働くため、適応になりません。
4:○ 声帯外転術は、声帯(披裂軟骨)を外側へ引き出して固定し、声門を広げる手術です。
両側声帯麻痺による気道狭窄の治療として行われます。
5:○ 気管切開術は、声門より下の気管に直接呼吸の通り道を作る方法です。
声門の狭窄を迂回して確実に気道を確保できます。
【ポイント】
一側麻痺は「声の改善(声門を閉じる手術)」、両側正中固定は「気道確保(声門を広げる手術・気管切開)」と目的が逆になります。
【用語】
両側声帯正中固定:両側の声帯が閉じた位置で動かなくなり、声門が狭くなって呼吸困難をきたす状態である。
声帯外転術:声帯を外側へ引いて固定し、狭くなった声門を広げて気道を確保する手術である。
気管切開術:頸部の前面から気管に孔を開け、声門を通らない空気の通り道を作る手術である。
甲状軟骨形成術I型:甲状軟骨を切開して挿入物を入れ、声帯を内側へ寄せて声門閉鎖を強める手術である。
声帯内脂肪注入術:声帯内に脂肪を注入してふくらませ、声門のすき間を埋めて閉鎖を改善する手術である。