正答1
解説
正解は1です。
この問題は誤っているものを選ぶので、○ が答え(右顔面神経麻痺でみられない症状)です。
顔面神経は表情筋の運動のほか、涙腺・唾液腺の分泌、アブミ骨筋、舌の前方3分の2の味覚を担います。
【選択肢別解説】
1:○ 瞳孔の散大は、動眼神経の副交感神経線維の障害で起こります。
顔面神経は瞳孔の動きに関与しないため、右顔面神経麻痺ではみられません。
2:× 顔面神経は大錐体神経を介して涙腺の分泌を支配しています。
また眼輪筋の麻痺で閉眼できないため、右眼が乾燥します。
3:× 顔面神経はアブミ骨筋を支配しています。
アブミ骨筋が麻痺すると大きな音を抑える反射が働かず、右耳で音が響いて大きく聞こえます(聴覚過敏)。
4:× 右の口輪筋などが麻痺するため、口を閉じられず右口角から水が漏れます。
5:× 顔面神経の枝である鼓索神経は、舌の前方3分の2の味覚を伝えます。
そのため舌の右側の味覚が低下します。
【ポイント】
顔面神経の障害部位は「涙の分泌・アブミ骨筋反射・味覚」の有無で推定できます。
瞳孔の異常は動眼神経や交感神経の障害を考えます。
【用語】
顔面神経麻痺:顔面神経の障害で表情筋が動かなくなり、涙・唾液の分泌や味覚にも影響が出る状態である。
大錐体神経:顔面神経から分かれ、涙腺などの分泌を促す副交感神経線維を含む神経である。
アブミ骨筋:中耳にある小さな筋で、顔面神経に支配され、大きな音からの内耳の保護に働く。
動眼神経:眼球運動や瞳孔の縮小に関わる脳神経で、副交感神経線維を含む。
鼓索神経:顔面神経の枝で、舌の前方3分の2の味覚と顎下腺・舌下腺の分泌にかかわる。