正答3
解説
正解は3です。
脳神経の運動核の多くは、左右両方の大脳半球から上位運動ニューロンの支配を受けます(両側性支配)。
両側性支配の筋は、一側の大脳病変では麻痺が目立ちません。
【選択肢別解説】
1:× 眼輪筋は顔面神経支配の筋です。
眼輪筋を含む顔面上部の筋も、両側の大脳半球から支配を受けるとされます。
ただし一側の病変でも閉眼が弱くなることがあり、両側性支配の程度は咽頭筋ほど完全ではありません。
本問では、両側性支配が最も明確な咽頭筋が正答とされています。
2:× 口輪筋は顔面下部の筋で、主に反対側の大脳半球から支配されます。
一側の大脳病変(中枢性顔面麻痺)では、反対側の口角が下がります。
3:○ 咽頭筋は疑核からの舌咽神経・迷走神経に支配されます。
疑核は左右の大脳半球から両側性に支配されるため、一側の病変では嚥下障害が軽く済むことが多いです。
4:× 舌筋(特にオトガイ舌筋)は、主に反対側の大脳半球から支配されます。
一側の大脳病変では、舌が麻痺側へ偏位します。
5:× 上腕二頭筋などの四肢の筋は、反対側の大脳半球から片側性に支配されます。
一側の大脳病変で反対側の片麻痺が起こるのはこのためです。
【ポイント】
両側性支配の代表は、咽頭・喉頭筋と咀嚼筋です。
顔面上部の筋も両側性支配の要素をもちますが、口輪筋など顔面下部の筋は主に反対側から支配されます。
片側の病変で目立たず、両側の病変で強く障害されるのが仮性球麻痺です。
【用語】
上位運動ニューロン:大脳皮質の運動野から脊髄や脳幹の運動核まで指令を伝える運動神経細胞である。
両側性支配:一つの筋が左右両方の大脳半球から指令を受けている支配様式である。
眼輪筋:目の周りを輪状に囲み、まぶたを閉じる働きをする顔面神経支配の表情筋である。
口輪筋:口の周りを輪状に囲み、口唇を閉じたりすぼめたりする表情筋である。
疑核:延髄にある運動核で、舌咽神経と迷走神経を介して咽頭や喉頭の筋を支配する。
仮性球麻痺:両側の上位運動ニューロンの障害により、構音や嚥下が障害される状態である。