第103回 助産師国家試験 午後問95
Aさん(33歳、初産婦)。
30歳で甲状腺機能亢進症を発症し、Basedow〈バセドウ〉病の診断により甲状腺亜全摘術を受け、レボチロキシンの内服を継続していた。
Aさんは無月経を主訴に産婦人科を受診して、妊娠6週相当と診断された。
また、診察で子宮体部の筋層内に複数の子宮筋腫が指摘されて子宮体部全体は新生児頭大であった。
その後の妊娠経過は順調で、血液検査では甲状腺機能は正常範囲であった。
妊娠 34 週の妊婦健康診査の超音波検査で胎児の甲状腺の腫大が確認された。
産科医師から A さんに、出産後に児の甲状腺機能亢進症が生じる可能性が告げられた。
診察後に A さんは助産師に「私のバセドウ病は落ち着いているのに、どうして赤ちゃんの甲状腺機能が異常になるのでしょうか」と訴えた。
A さんの児の甲状腺機能亢進症が生じる原因で正しいのはどれか。
正答4
解説
正解は4。
バセドウ病の本態である「自己抗体(TSH受容体抗体、TRAb)」が胎盤を通過し、胎児・新生児の甲状腺を刺激することで「胎児・新生児甲状腺機能亢進症」が生じる。
1のhCGはTSH類似作用で妊娠初期の一過性甲状腺機能亢進を起こすが本例の妊娠後期の児甲状腺腫大は説明できない、2の甲状腺切除既往は母体の話で児には影響少、3のレボチロキシンは胎盤通過しても児の甲状腺亢進を起こさない、5の胎児甲状腺癌は極めて稀。
妊娠中のバセドウ病管理はTRAbモニタリング・最小限の抗甲状腺薬(PTU/メチマゾール、ただし催奇形性あり)が必要。
助産師は内分泌内科・産科・新生児科の連携を促進し、出生児の甲状腺機能スクリーニングをサポートする。まとめて解く
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