21歳の男性。
2か月前にバスケットボール試合中に左膝を打ち負傷した。
脛骨粗面部の発赤と腫脹を認めていたが、症状は軽快したという。
最近、運動時に膝窩部痛が出現し来所した。
ラックマンテストでエンドポイントはあるが、膝90度屈曲位で脛骨を前へ引くと出るような感じとそこから後ろに押すと戻るような感じがある。
考えられるのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
脛骨粗面部を打撲して脛骨が後方へ押されたことと、後方への引き出しに関する所見から考える症例です。
膝90度屈曲位で脛骨が後方へ落ち込み(サギング)、前へ引くと正常位置に戻る所見が鍵です。
【選択肢別解説】
1:× ジャンパー膝は、ジャンプ動作の繰り返しで膝蓋腱の付着部に炎症が起こる障害です。
膝蓋骨下端部の圧痛が特徴で、脛骨の前後動揺は生じません。
2:× 前十字靱帯損傷では、ラックマンテストでエンドポイントが消失します。
本例はエンドポイントがあるため、前十字靱帯は保たれていると考えます。
3:× オスグッド・シュラッター病は、成長期の脛骨粗面の牽引性骨端症です。
骨端線が閉鎖した21歳では発症せず、脛骨の前後動揺もみられません。
4:○ 脛骨粗面部の打撲は、脛骨を後方へ押して後十字靱帯を損傷する典型的な機序です。
90度屈曲位で脛骨が後方へ落ち込んでいるため、前へ引くと「出る」ように感じ、押すと元の位置へ戻ります。
膝窩部痛も後十字靱帯損傷に合う症状です。
【ポイント】
後十字靱帯損傷では、後方落ち込み徴候(サギング)のため前方引き出しテストが見かけ上陽性になることがあります。
ラックマンテストのエンドポイントの有無で、前十字靱帯損傷と区別しましょう。