30歳の女性。
パラグライダーで飛行後、右足関節伸展状態で着地して負傷した。
歩行不能のため、友人に連れられ来所した。
腫脹、限局性圧痛および足関節伸展時痛がみられる。
母趾が直角に足底側に屈曲している。
考えられるのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
足関節伸展(背屈)位での着地による受傷、歩行不能、足関節伸展時痛、そして母趾が直角に屈曲している所見が鍵です。
距骨の後方には長母趾屈筋腱が通る溝があり、距骨骨折ではこの腱が緊張して母趾が屈曲します。
【選択肢別解説】
1:× 踵骨骨折は高所から踵で着地して生じ、踵部の腫脹・扁平化がみられます。
母趾が直角に屈曲する所見は特徴ではありません。
2:○ 距骨骨折(とくに頸部骨折)は、足関節の強い背屈強制で生じます。
骨片の転位により長母趾屈筋腱が緊張し、母趾が屈曲位をとるのが特徴的な所見です。
3:× 足の舟状骨骨折は、底屈位での軸圧や後脛骨筋の牽引などで生じます。
足背内側の腫脹・圧痛が主で、母趾の屈曲は特徴ではありません。
4:× 立方骨骨折は、前足部が外転強制されて踵骨と第4・5中足骨の間で圧迫されて生じます。
足部外側の腫脹・圧痛が主で、母趾の屈曲は特徴ではありません。
【ポイント】
距骨は血行が乏しく、頸部骨折では阻血性骨壊死を起こしやすいことが重要です。
「背屈強制での受傷」と「長母趾屈筋腱の緊張による母趾屈曲」をセットで覚えましょう。