46歳の女性。
右手で瓶の蓋を回し開けようとした時、突然、示指が屈曲位となった。
MP関節は30度屈曲位をとり、その位置からの屈曲は可能であるが伸展は不能であった。
MP関節に明瞭な腫脹や熱感はなく、PIP関節の屈伸障害もみられない。
この患者の圧痛部は図で示す部位のどれか。
正答2
解説
正解は2です。
瓶の蓋を回す動作で、示指のMP関節が30度屈曲位で突然動かなくなり、屈曲はできるが伸展ができません。
MP関節に腫脹・熱感がなく、PIP関節の屈伸は正常です。
これはMP関節ロッキングで、中手骨頭の橈側の隆起に副側副靱帯などが引っかかって伸展が妨げられた状態です。
【図の所見】
a:手背を橈側から見た図で、示指MP関節の関節裂隙付近(基節骨基部寄り)の橈側背面を示しています。
b:aより近位、示指中手骨頭の橈側を示しています。
c:手掌側から見た示指MP関節の掌側(中手骨頭の掌側)を示しています。
d:手掌側から見た示指基部の橈側、母指と示指の間寄りの部位を示しています。
【選択肢別解説】
1:× aは中手骨頭より遠位の関節裂隙から基節骨基部寄りの部位です。
ロッキングの原因となる引っかかりは中手骨頭の橈側で起こるため、圧痛の中心ではありません。
2:○ bは示指中手骨頭の橈側に当たります。
副側副靱帯が中手骨頭橈側の隆起に引っかかって生じるため、この部位に圧痛を認めます。
3:× cはMP関節掌側で、屈筋腱腱鞘(A1滑車)の部位です。
ここに圧痛や結節を触れるのはばね指で、ばね指ではPIP関節の屈伸時に弾発現象がみられます。
4:× dは示指基部の掌側橈側で、ロッキングの原因となる構造がある部位ではありません。
本例の病態と結びつく圧痛部ではありません。
【ポイント】
MP関節ロッキングは中年女性の示指に多く、「MP関節軽度屈曲位で伸展不能・屈曲は可能・PIP関節は正常」が特徴です。
PIP関節に弾発現象が出るばね指との鑑別が頻出です。