70歳の女性。
石につまずき、手関節を軽度背屈位・過度回内位で手を衝いた。
手関節の近位 2 cm 付近に限局性圧痛がみられ腫脹著明で、同部位の幅も著しく増大していた。
整復後の固定肢位はどれか。
正答4
解説
正解は4です。
高齢者が手を衝いて、手関節の近位約2cm(橈骨遠位端部)に限局性圧痛と著明な腫脹を生じており、橈骨遠位端骨折が考えられます。
手関節背屈位で手を衝いた際に前腕へ過度の回内力が加わると、遠位骨片が掌側へ転位するスミス骨折を生じることがあります。
【選択肢別解説】
1:× 前腕回内位・手関節軽度掌屈位・軽度尺屈位は、コーレス骨折の固定肢位です。
コーレス骨折は遠位骨片が背側へ転位するため、掌屈位で再転位を防ぎます。
掌側転位のスミス骨折を掌屈位で固定すると、骨片が掌側へずれやすくなります。
2:× 前腕回内位・軽度橈屈位は、スミス骨折の固定肢位として誤りです。
回内位では掌側へ転位させる力が残ります。
また、橈屈位は橈骨の短縮や遠位骨片の橈側転位を助長します。
3:× 手関節軽度掌屈位と軽度橈屈位が誤りです。
前腕回外位は適切ですが、掌屈位は掌側転位を助長し、橈屈位は橈側転位を残しやすくなります。
4:○ 前腕回外位・手関節軽度背屈位・軽度尺屈位が、スミス骨折の整復後の固定肢位です。
遠位骨片は掌側へ転位するので、手関節を軽度背屈位にして骨片を背側へ保持します。
回外位は掌側へ引く筋の作用を減らし、尺屈位は橈側転位と橈骨短縮を防ぎます。
【ポイント】
コーレス骨折は「回内・掌屈・尺屈」、スミス骨折は「回外・背屈・尺屈」で固定し、尺屈は両者に共通です。
固定肢位は、骨片の転位方向と逆向きに保つという原則から導けます。