36歳の女性。
退職し母親の介護を始めた昨年から体重が 10 kg 増加した。
2週前から右足関節内果周辺に疼痛がみられ、内果後方から遠位にかけて軽度の圧痛を認めた。
踵部は外反位を呈し、つま先立ちは痛みのため困難である。
考えられる疾患はどれか。
正答4
解説
正解は4です。
体重増加のある中年女性で、内果の後方から遠位に圧痛があり、踵部外反とつま先立ち困難がみられます。
これは後脛骨筋腱の炎症・機能不全の典型像です。
【選択肢別解説】
1:× 内果疲労骨折は所見が合いません。
内果疲労骨折はランニングやジャンプを繰り返す運動選手に多く、内果そのものに圧痛が出ます。
内果後方から遠位にかけての圧痛や踵部外反は、腱の障害を示す所見です。
2:× シンスプリントは部位が合いません。
シンスプリントは脛骨内側縁の中央から遠位3分の1に沿って痛みが出る過労性障害で、ランナーに多いです。
足関節の内果周辺に限局した痛みは典型的ではありません。
3:× 変形性足関節症は所見が合いません。
変形性足関節症は外傷後や高齢者にみられ、関節全体の痛みや腫脹、可動域制限が主です。
日本では内反型が多く、踵部外反と内果後方の圧痛は合いません。
4:○ 後脛骨筋腱炎が考えられます。
後脛骨筋腱は内果の後方を回って舟状骨に停止し、内側縦アーチを支えます。
腱が障害されると内果後方から舟状骨にかけて圧痛が出て、アーチが低下し踵部が外反します。
後脛骨筋は踵上げで踵を内反させて足部を固める役割があるため、片脚のつま先立ちが困難になります。
【ポイント】
後脛骨筋腱機能不全は中年女性・肥満がリスク因子で、成人期扁平足の主な原因です。
「内果後方の圧痛・踵部外反・片脚つま先立ち困難」の三つで思い出せるようにします。