8歳の男児。
6歳からサッカーを始めた。
特に肥満はない。
1か月前から右膝から大腿部にかけての疼痛を訴えていた。
しばらく様子をみていたところ、母親が跛行に気付き来所した。
膝関節に腫脹や圧痛、不安定性などはなく、大腿部も若干の筋緊張はあるものの明確な所見はなかった。
股関節は外転・外旋に制限がみられた。
スカルパ三角部に圧痛を認め、パトリックテストも陽性であった。
最も考えられるのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
8歳の男児が1か月にわたり膝から大腿部の痛みと跛行を示し、股関節に可動域制限とスカルパ三角部の圧痛があります。
膝に所見がないことから、股関節疾患による膝への関連痛と考えます。
年齢と経過から、ペルテス病が最も考えられます。
【選択肢別解説】
1:× 鼠径部痛症候群は年齢と所見が合いません。
鼠径部痛症候群はキック動作を繰り返す中学生以上のサッカー選手に多く、内転筋や下腹部に痛みが出ます。
8歳の小児で股関節の可動域制限を伴う点は合致しません。
2:× 単純性股関節炎は経過が合いません。
単純性股関節炎は小児に多いものの、通常は1〜2週間で自然に治まります。
1か月続く疼痛と可動域制限は、単純性股関節炎としては長すぎます。
3:○ ペルテス病が最も考えられます。
ペルテス病は大腿骨頭への血流障害で骨端核が壊死する疾患で、4〜8歳ごろの男児に多いです。
股関節痛だけでなく膝や大腿部の痛みを訴えることがあり、跛行で気付かれます。
股関節の外転などが制限され、スカルパ三角部の圧痛やパトリックテスト陽性がみられます。
4:× 大腿骨頭すべり症は年齢と体型が合いません。
大腿骨頭すべり症は10〜15歳ごろの思春期、特に肥満の男子に多い疾患です。
股関節を屈曲すると自然に外旋するドレーマン徴候が特徴です。
【ポイント】
小児の股関節疾患は年齢で整理し、単純性股関節炎は3〜10歳、ペルテス病は4〜8歳、大腿骨頭すべり症は10〜15歳と覚えます。
小児が膝の痛みを訴えて膝に所見がないときは、股関節疾患の関連痛を疑います。