25歳の女性。
2週前、転倒した際に右手を衝いて受傷したが、しばらく安静にしていたので症状は治まっていた。
最近、手を使う作業が多く、手関節尺側に疼痛が出現してきたので来所した。
手関節尺側部に圧痛があり、尺骨頭に軽度不安定性がみられた。
困難な動作はどれか。
正答1
解説
正解は1です。
手を衝いて受傷後、手関節尺側の圧痛と尺骨頭の不安定性がみられることから、三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷が考えられます。
TFCCは尺骨頭と手根骨の間で荷重を受け、遠位橈尺関節を安定させる組織です。
【選択肢別解説】
1:○ ドアノブを捻る動作が困難になります。
ドアノブを捻ると前腕の強い回内・回外が起こり、遠位橈尺関節とTFCCに大きなねじれの負荷がかかります。
手関節を尺屈させながら力を入れるため、尺側部にさらに圧縮力が加わり疼痛が強まります。
2:× 食事を摂る動作は比較的可能です。
箸やスプーンの操作は手指が中心で、前腕に強い回旋力や尺屈方向の負荷はほとんどかかりません。
3:× 顔を洗う動作は比較的可能です。
手を顔へ運ぶ動作は肘と肩の運動が主で、手関節尺側に抵抗の加わる回旋は少ないです。
4:× 文字を書く動作は比較的可能です。
書字は主に手指の細かい運動で、前腕に強い回旋や尺屈の負荷はかかりません。
【ポイント】
TFCC損傷は「手関節尺側部痛・前腕回旋時痛・尺骨頭の不安定性」が三徴です。
ドアノブを回す、雑巾を絞る、ペットボトルの蓋を開けるといった回旋と握りを伴う動作で痛みが出ます。