17歳の男子。
ハードル走の選手である。
最近、練習中に右股関節の引っかかりを感じるようになった。
関節に腫脹や疼痛はなく明らかな可動域制限もみられないが、股関節内転位で屈伸すると股関節部外側で轢音が聴取された。
外傷の既往はない。
最も考えられるのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
股関節を内転位で屈伸すると、股関節外側で轢音とひっかかりが生じる症例です。
疼痛や腫脹、外傷の既往がないことから、外側型の弾発股と判断します。
【選択肢別解説】
1:× 股関節唇の断裂では、鼠径部の痛みと関節内での引っかかりが生じます。
音は関節の深部で起こり、本例のように外側で聴取されるものではありません。
2:× 大転子滑液包炎では、大転子部に疼痛と圧痛がみられます。
本例は疼痛がないため、考えにくいです。
3:× 中殿筋の筋力低下では、片脚立ちで骨盤が反対側へ下がるトレンデレンブルグ徴候がみられます。
股関節外側の轢音の原因にはなりません。
4:○ 大腿筋膜張筋の緊張が増すと、そこから続く腸脛靱帯が大転子の上を乗り越えるときに弾発します。
股関節を内転位にすると腸脛靱帯が大転子に強く押しつけられるため、轢音が生じやすくなります。
【ポイント】
外側型弾発股は「腸脛靱帯・大腿筋膜張筋が大転子を乗り越える」ことで起こります。
治療は大腿筋膜張筋と腸脛靱帯のストレッチが中心です。