35歳の男性。
草野球の試合でレフトからホームに送球した際に、右肩に強い鋭い痛みを感じ来所した。
写真Aに示した徒手検査法が陽性であった。
超音波画像所見を写真Bに示す。
写真(別冊No.3A、B)を別に示す。
考えられる損傷部位はどれか。
正答2
解説
正解は2です。
写真Aでは、患者の上肢を肩関節外転・挙上位に保持させ、検者がその位置での保持能力をみています。
これはドロップアームテストなど、肩の挙上を担う腱板(棘上筋)の機能をみる検査で、陽性は保持できないことを示します。
写真Bの超音波画像では、健側は上腕骨頭の表面の高エコー線の上に、上に凸の厚みのある腱板の層がみられます。
患側ではこの層が薄く平坦になり、正常な凸の輪郭が失われており、腱板の断裂を示す所見です。
【選択肢別解説】
1:× 上腕二頭筋長頭腱は損傷部位として考えにくいです。
長頭腱の損傷では結節間溝部の痛みがみられ、スピードテストなどが陽性となります。
2:○ 損傷部位は棘上筋と考えられます。
送球動作で腱に強い負荷がかかって受傷し、腱板の機能検査が陽性で、超音波で骨頭上の腱板の菲薄化がみられることが根拠です。
棘上筋腱は肩峰の下を通り、腱板の中で最も断裂しやすい腱です。
3:× 棘下筋は単独で損傷されることが少なく、外旋筋力の低下が主な所見となります。
4:× 肩甲下筋は腱板の前方にあり、損傷ではリフトオフテストが陽性となります。
肩甲下筋腱は、上腕骨頭の上方ではなく前方の小結節部で観察されます。
【ポイント】
腱板断裂は棘上筋腱に最も多く、ペインフルアークサインやドロップアームテストが陽性となります。
超音波検査では、腱板の菲薄化や平坦化、欠損像を健側と比べて評価します。