21歳の男性。
大学野球部のピッチャーである。
フォロースルー期に、肩後方に激痛があり来所した。
肩周囲に筋萎縮はみられないが肩関節後方に圧痛があり、肩の内旋可動域の減少がみられた。
また、外転・外旋を強制すると肩の後方に疼痛が出現した。
考えられるのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
投球のフォロースルー期に肩後方の痛みが生じる投手の症例で、考えられる病態を問う問題です。
フォロースルー期の後方痛、肩関節後方の圧痛、内旋可動域の減少、外転・外旋強制での後方痛がそろっています。
【選択肢別解説】
1:× 肩峰下インピンジメント症候群では、痛みは後方ではなく肩の前外側に生じます。
腱板や肩峰下滑液包が肩峰の下で挟まれる病態で、挙上60〜120度で痛むペインフルアークサインが特徴です。
2:× 肩甲上神経絞扼障害では、棘下筋や棘上筋の筋萎縮がみられます。
本例は筋萎縮がないため、可能性は低いです。
3:× SLAP損傷は、上方関節唇と上腕二頭筋長頭腱の付着部の損傷です。
主に投球の後期コッキング期に肩の深部に痛みやクリックが生じ、本例のフォロースルー期の後方痛とは合いません。
4:○ ベネット損傷が考えられます。
フォロースルー期に上腕三頭筋長頭や後方関節包が関節窩の後下縁を繰り返し牽引し、そこに骨棘が形成される病態です。
後方関節包の拘縮によって内旋可動域が減少し、関節後方に圧痛がみられます。
【ポイント】
投球障害肩は、痛みの出る投球相と部位で区別します。
後期コッキング期の前方・深部痛はSLAP損傷やインターナルインピンジメント、フォロースルー期の後方痛はベネット損傷を考えます。