28歳の男性。
バイク走行中に転倒し右側腹部を打撲した。
意識清明、自立歩行可能で救急車にて来院した。
待っている間に、冷汗が生じ顔面が蒼白となった。
下腿浮腫はみられない。
収縮期血圧60mmHg、脈拍126/分であった。
考えられるのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
右側腹部を強く打撲したあと、冷汗・顔面蒼白・血圧低下・頻脈が出現しています。
右側腹部には肝臓や右腎があり、これらの損傷による腹腔内や後腹膜への出血が疑われます。
脈拍126/分を収縮期血圧60mmHgで割ったショック指数は約2.1で、大量の出血を示します。
【選択肢別解説】
1:× 心原性ショックは考えにくいです。
心原性ショックは心筋梗塞などで心臓のポンプ機能が低下して起こり、頸静脈の怒張や肺うっ血を伴います。
2:× アナフィラキシーショックは考えにくいです。
アレルギーの原因物質への曝露がなく、蕁麻疹や気道狭窄などの症状もみられないためです。
3:× 敗血症性ショックは考えにくいです。
重い感染症を背景に起こるショックで、受傷直後の外傷患者に急に起こるものではないためです。
4:○ 出血性ショックが考えられます。
腹部打撲のあとに冷汗・蒼白・低血圧・頻脈が進行しており、臓器損傷による大量出血で循環血液量が減少したと判断できるためです。
【ポイント】
ショックの5徴候は、蒼白・虚脱・冷汗・脈拍触知不能・呼吸不全です。
受傷直後に歩けていても、内出血で急に状態が悪化することがあるため注意が必要です。