18歳の男子。
柔道の練習中に足払いを頻回に受けた際、下腿部に疼痛を感じた。
下袴に血液の付着がみられたが、そのまま練習を継続した。
3日後、疼痛および腫脹が増強し来所した。
来所時、下腿部に発赤を伴う腫脹、熱感がみられ体温は38.5℃であった。
考えられるのはどれか。
2つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答1・4
解説
正解は1と4です。
柔道の練習中に下腿を繰り返し蹴られて受傷した症例から、考えられる病態を選ぶ問題です。
下袴に血液が付着していたことから、下腿に皮膚の創があったと考えられます。
3日後に疼痛と腫脹が増強し、発赤・熱感と38.5℃の発熱がみられています。
【選択肢別解説】
1:○ 蜂窩織炎が考えられます。
皮膚の創から細菌が侵入し、皮下組織に感染が広がった状態です。
発赤・腫脹・熱感・疼痛という炎症の徴候と、発熱を伴う経過が一致します。
2:× シンスプリントは考えにくいです。
シンスプリントはランニングなどの繰り返しで起こる脛骨内側の骨膜炎です。
打撲後の創、発赤、高熱を伴う経過とは一致しません。
3:× 脛骨悪性骨腫瘍は考えにくいです。
骨肉腫などは10歳代に好発しますが、数週から数か月かけて痛みや腫れが進行します。
受傷後3日で急激に発赤・発熱が出る経過とは合いません。
4:○ 急性コンパートメント症候群が考えられます。
足払いを繰り返し受けて下腿の筋が損傷し、出血と浮腫が生じています。
そのまま練習を続けたことで区画内の内圧が上昇し、疼痛と腫脹が増強した可能性があります。
見逃すと筋の壊死や神経障害を残すため、必ず疑うべき病態です。
【ポイント】
外傷後に疼痛・腫脹が増強する下腿では、急性コンパートメント症候群を常に疑います。
創があり発赤・熱感・発熱を伴えば、蜂窩織炎などの感染も考えて医師に紹介します。