20歳の男性。
サッカーの練習中転倒し左手掌を強く衝いた。
翌日、疼痛が強くなり来所した。
母指・示指に軸圧を加えたり手関節橈背屈で疼痛の増悪がみられた。
考えられないのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
手掌を衝いて受傷した症例で、考えられない損傷を選ぶ問題です。
この問題は考えられないものを選ぶので、○ が答え(考えにくい損傷)です。
母指・示指への軸圧痛と、手関節の橈屈・背屈での痛みは、手根部の橈側から中央の損傷を示します。
【選択肢別解説】
1:○ 有鈎骨骨折は考えにくいので、これが答えです。
有鈎骨は手根部の尺側にあり、骨折するとその部位(小指球の基部)に圧痛が出ます。
ゴルフや野球のグリップエンドで鈎が圧迫されて起こることが多く、本例の所見と一致しません。
2:× 手根中央関節脱臼は考えられます。
手関節の背屈を強制されて起こり、手根部中央の疼痛と手関節運動時痛がみられます。
3:× 月状骨脱臼は考えられます。
手掌を衝いて手関節が強く背屈されると、月状骨が掌側へ脱臼します。
手根部中央の疼痛や正中神経の圧迫症状がみられます。
4:× 舟状骨骨折は最も考えられる損傷です。
手関節背屈・橈屈位で手を衝いて起こり、母指・示指の軸圧痛やタバコ窩の圧痛がみられます。
【ポイント】
手を衝いた若年者で母指・示指の軸圧痛があれば、まず舟状骨骨折を疑います。
有鈎骨骨折は尺側の損傷で、グリップエンドによる受傷が典型です。