14歳の女子。
ソフトボール部活動中、左投げで遠投をしたところ「ガクッ」と音とともに肩に違和感を自覚し来所した。
左上腕を下方へ引き下げたところ、肩峰と上腕との間に間隙ができた。
考えられるのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
投球後の肩の違和感と、上腕を下方へ引いたときの所見から疾患を判断する問題です。
上腕を下方へ牽引して肩峰と上腕骨頭の間に陥凹(間隙)ができる所見を、サルカスサインといいます。
これは肩関節の下方への不安定性を示します。
【選択肢別解説】
1:○ 動揺性肩関節症(ルーズショルダー)が考えられます。
関節包や靱帯がゆるく、肩関節が前後・下方へ不安定になる病態で、若い女性に多いです。
サルカスサイン陽性が特徴で、投球時の脱臼感や違和感を訴えます。
2:× リトルリーガー肩は、成長期の投球による上腕骨近位骨端線の損傷です。
投球時の肩の痛みとエックス線での骨端線の拡大が特徴で、サルカスサインとは関係しません。
3:× ベネット損傷は、関節窩の後下方縁に骨棘ができる病態です。
主に成人の投手にみられ、投球時の肩後方の痛みが特徴です。
4:× 肩峰下インピンジメント症候群は、腱板や滑液包が肩峰の下で挟まれる病態です。
挙上の途中で痛む有痛弧徴候が特徴で、下方牽引で間隙ができる所見ではありません。
【ポイント】
サルカスサイン陽性は動揺性肩関節症(下方不安定性)の代表的所見です。
リトルリーガー肩は骨端線、ベネット損傷は関節窩後下方の骨棘と区別します。