52歳の男性。
工事現場で仕事をしている。
明らかな原因はないが数日前から下腿外側から足背にかけてしびれを自覚している。
腰部に圧痛はないが、大殿筋の筋力低下がみられた。
確認すべき圧痛部位はどれか。
正答2
解説
正解は2です。
下腿外側から足背のしびれと大殿筋の筋力低下から、神経の絞扼部位を推定する問題です。
下腿外側から足背の感覚は、坐骨神経の枝である総腓骨神経が支配します。
大殿筋を支配する下殿神経は、坐骨神経とともに梨状筋の下を通って骨盤外へ出ます。
【選択肢別解説】
1:× 上前腸骨棘の内側では、外側大腿皮神経が圧迫されます。
しびれは大腿外側に生じ、大殿筋の筋力低下は起こりません。
2:○ 梨状筋部の圧痛を確認すべきです。
梨状筋の下で坐骨神経と下殿神経が同時に圧迫されると、両方の症状が出ます。
下腿外側から足背のしびれと大殿筋の筋力低下は、梨状筋症候群に一致します。
腰部に圧痛がないことも、腰椎由来の障害より梨状筋部の障害を示唆します。
3:× 内転筋管出口部では、伏在神経が圧迫されます。
しびれは膝から下腿の内側に生じ、本例の下腿外側の症状とは一致しません。
4:× 腓骨頭後方部では、総腓骨神経が圧迫されます。
下腿外側から足背のしびれは説明できますが、大殿筋の筋力低下は説明できません。
【ポイント】
絞扼部位より中枢で分かれる神経の障害の有無が、部位の決め手になります。
梨状筋症候群では下殿神経の障害で大殿筋の筋力低下が加わる点が、腓骨頭部の障害との違いです。