20歳の男性。
柔道の乱取り中、右足部外返しで踏ん張った際、足関節部の疼痛を自覚し来所した。
圧痛部(別冊No.5)を別に示す。
足関節を他動的に背屈、外旋させると疼痛が増強した。
考えられるのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
足部外返しでの受傷と圧痛部位、誘発テストから損傷した靱帯を判断する問題です。
写真の×印は、足関節の外果よりやや上方の前面、脛骨と腓骨の遠位端が接する部位にあります。
この部位には、脛骨と腓骨の遠位を前方で結ぶ前脛腓靱帯があります。
【選択肢別解説】
1:× 前距腓靱帯は、外果の前下方から距骨頸部へ向かう靱帯です。
足関節の内返し(内がえし)で損傷し、圧痛は外果の前下方にみられます。
外返しでの受傷や外果より上方の圧痛とは一致しません。
2:× 二分靱帯は、踵骨前方突起から舟状骨と立方骨へ向かう靱帯です。
足部の内返し・底屈で損傷し、圧痛は足根洞のやや前方にみられます。
3:× 三角靱帯は、内果から距骨・踵骨・舟状骨へ扇状に広がる内側の靱帯です。
外返しで損傷することはありますが、圧痛は内果周囲にみられます。
本例の圧痛部位は外果の前上方で、三角靱帯の部位ではありません。
4:○ 前脛腓靱帯損傷が考えられます。
足部が外返し・外旋されると、距骨が脛骨と腓骨の間を押し広げ、前脛腓靱帯が損傷します。
足関節を他動的に背屈・外旋させると、距骨が脛腓間を広げるため痛みが増強します。
圧痛部位と誘発テストの結果がともに一致します。
【ポイント】
前脛腓靱帯損傷(高位足関節捻挫)は、外旋強制で起こり、外旋ストレステストで疼痛が増強します。
通常の内返し捻挫(前距腓靱帯損傷)より圧痛部位が高い点に注意します。