75歳の女性。
食事中に顎が閉まらなくなり来所した。
半開口のままで、口の開閉はわずかに可能である。
オトガイ部は左側に偏位している。
患側の耳孔前方に陥凹を触知する。
考えられるのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
半開口で口を閉じられない状態から、顎関節脱臼と判断します。
顎関節脱臼はほとんどが前方脱臼です。
片側の前方脱臼では、オトガイ部は健側へ偏位します。
本例はオトガイ部が左に偏位しているので、患側は右です。
【選択肢別解説】
1:× 側方脱臼は、下顎骨骨折に伴う場合以外にはきわめてまれです。
耳孔前方の陥凹と半開口位という本例の所見は、前方脱臼を示しています。
2:× 側方脱臼はまれであり、患側も誤りです。
オトガイ部が左に偏位しているので、患側は左ではなく右です。
3:○ 右の下顎頭が関節結節を越えて前方へ外れると、下顎は健側の左へ押し出され、オトガイ部が左に偏位します。
右の耳孔前方では、下顎頭が抜けた関節窩が陥凹として触れます。
4:× 片側前方脱臼ではオトガイ部は健側へ偏位します。
左顎関節前方脱臼であればオトガイ部は右へ偏位するはずで、本例とは合いません。
【ポイント】
両側前方脱臼では、オトガイ部は前下方に突出し、左右への偏位はみられません。
高齢者や関節が弛緩している人では、あくびや食事などの大きな開口で起こりやすいです。