66歳の男性。
3か月前から四肢脱力を生じ、階段昇降や座位から立ち上がることが困難となった。
手指関節伸側に落屑を伴う紅斑を認める。
血液検査で筋原性酵素の上昇と炎症反応の陽性がみられた。
この患者で注意すべき合併症はどれか。
正答2
解説
正解は2です。
3か月の経過で四肢の近位筋の筋力が低下し、階段昇降や立ち上がりが困難になっています。
手指関節の伸側にある落屑を伴う紅斑はゴットロン徴候で、筋原性酵素の上昇とあわせて皮膚筋炎と考えられます。
高齢で発症した皮膚筋炎では、悪性腫瘍を合併することが多いため注意が必要です。
【選択肢別解説】
1:× 貧血は皮膚筋炎で特に注意すべき合併症ではありません。
慢性炎症で軽い貧血がみられることはありますが、重要度は悪性腫瘍に及びません。
2:○ 悪性腫瘍は皮膚筋炎で注意すべき合併症です。
胃癌や肺癌など内臓の癌を合併しやすく、診断時に全身の癌の検索を行います。
3:× 前立腺肥大は皮膚筋炎の合併症ではありません。
加齢に伴う男性の疾患で、皮膚筋炎との関連はありません。
4:× 甲状腺機能亢進は皮膚筋炎の合併症ではありません。
甲状腺機能の異常でも筋力低下は起こりますが、ゴットロン徴候は説明できません。
【ポイント】
皮膚筋炎の皮疹には、ゴットロン徴候のほか、上まぶたが紫紅色に腫れるヘリオトロープ疹があります。
悪性腫瘍とともに、間質性肺炎の合併も予後を左右する重要な合併症です。