60歳の女性。
自宅の庭で転倒し受傷した。
医科にて橈骨遠位端骨折と診断され固定を行った。
固定除去後、手部に疼痛、腫脹、熱感が生じてきた。
考えられるのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
橈骨遠位端骨折の固定除去後に、外傷の程度に見合わない疼痛、腫脹、熱感が手部に出現した症例です。
骨折後の合併症の中で、時期と症状の組合せから病態を判断する問題です。
【選択肢別解説】
1:× 骨化性筋炎は、筋肉内に異所性に骨が形成される病態で、肘関節周囲の外傷後に多くみられます。
局所に硬い腫瘤を触れ、関節の可動域が制限されるのが特徴で、本症例の手部の症状とは合いません。
2:× 阻血性壊死は、骨への血流が途絶えて骨が壊死する病態で、大腿骨頭や手の舟状骨で問題になります。
橈骨遠位端骨折で起こることはまれで、疼痛・腫脹・熱感の症状群とも合いません。
3:× 脂肪塞栓症候群は、大腿骨などの長管骨骨折後24〜72時間ほどで起こる合併症です。
呼吸困難、意識障害、点状出血が主症状で、固定除去後に手部に限局して起こるものではありません。
4:○ 複合性局所疼痛症候群(CRPS)は、外傷や固定の後に、損傷の程度に不釣り合いな痛みが続く病態です。
腫脹、皮膚温の上昇、発汗異常などの自律神経症状を伴い、橈骨遠位端骨折後に起こりやすい代表的な合併症です。
【ポイント】
CRPSは放置すると関節拘縮や骨萎縮(ズデック骨萎縮)に進行するため、早期発見と早期の運動療法が重要です。