36歳の女性。
2週前にオートバイで転倒し、右肩部を強打した。
以来、肩部の疼痛を自覚している。
特に右側臥位での夜間痛が著明である。
肩関節外転が他動では可能であるが、自動では 60 度位に制限されている。
考えられる疾患はどれか。
正答2
解説
正解は2です。
外傷後に肩の夜間痛が強く、肩関節外転が他動では可能なのに自動では60度程度に制限される症例です。
関節そのものの動きは保たれ、動かす力だけが失われている状態なので、腱板損傷が考えられます。
【選択肢別解説】
1:× 五十肩(肩関節周囲炎)は、明らかな外傷なく発症することが多く、関節包の拘縮で自動・他動ともに可動域が制限されます。
他動で外転が可能な本症例とは合いません。
2:○ 腱板損傷では、外転の力源である棘上筋腱などが損傷されるため、自動での挙上が制限されます。
関節自体は動くため他動では挙上でき、損傷側を下にした夜間痛も特徴的な所見です。
3:× 肩関節脱臼では、弾発性固定のため自動・他動ともに肩関節を動かせません。
2週間も肩を動かせる状態で経過することは考えにくいです。
4:× 上腕骨外科頸骨折では、上腕部から前胸部に及ぶ皮下出血斑や腫脹がみられ、他動運動でも強い痛みがあります。
他動で外転が可能という所見と合いません。
【ポイント】
腱板損傷ではドロップアームサインや有痛弧徴候が陽性になります。
自動運動の制限と他動運動の保持という差が、腱板損傷と五十肩を見分ける要点です。