28歳の男性。
機械の組み立て工。
仕事中に特定の動作で肘関節がカクッとずれるような感じがあり、力が入らないという。
小学生の低学年時に肘の骨折の既往があり、運搬角は-10 度である。
前腕回外位で手掌から軸圧をかけて肘関節を外反すると、橈骨頭の後外方への亜脱臼がみられた。
亜脱臼の原因はどれか。
正答4
解説
正解は4です。
小児期の肘骨折の既往があり、運搬角が-10度の内反肘を残した成人で、肘のずれる感覚と脱力を訴えた症例です。
前腕回外位で軸圧と外反を加えたときに橈骨頭が後外方へ亜脱臼するのは、後外側回旋不安定症のピボットシフトテスト陽性の所見です。
【選択肢別解説】
1:× 輪状靱帯から橈骨頭が抜けかかる病態は肘内障で、主に幼児にみられます。
成人の後外側回旋不安定症の原因ではありません。
2:× 外側側副靱帯が緊張していれば、肘外側の安定性は保たれます。
亜脱臼の原因になるのは靱帯の緊張ではなく弛緩や損傷です。
3:× 内側側副靱帯が弛緩すると、肘の外反不安定性が起こり内側が開きます。
橈骨頭が後外方へ亜脱臼する不安定性の原因とは異なります。
4:○ 外側尺側側副靱帯は外側上顆から尺骨の回外筋稜に付着し、尺骨と橈骨頭が後外方へ回旋してずれるのを防いでいます。
内反肘では肘外側に持続的な伸張ストレスがかかるため、この靱帯が弛緩して後外側回旋不安定症が生じます。
【ポイント】
内反肘は顆上骨折の代表的な後遺症で、成人後に後外側回旋不安定症や遅発性尺骨神経麻痺の原因になることがあります。
外側尺側側副靱帯は後外側回旋不安定症の主な原因靱帯として覚えましょう。