59 歳の女性。
自宅でテレビを見ていて大きくあくびをしたところ、口を閉じることができなくなったため来所した。
下顎歯列は上顎歯列の前方に偏位している。
耳前方に陥凹を触れ、頬は扁平となっている。
整復で誤っているのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
この問題は誤っているものを選ぶので、○ が答え(誤った記述)です。
あくびの後に口が閉じられず、下顎歯列が前方へ偏位し、耳の前に陥凹を触れることから、顎関節の両側前方脱臼です。
【選択肢別解説】
1:× 正しい記述です。
整復に失敗すると、疼痛と恐怖で咀嚼筋の緊張が強まり、次の整復がより難しくなります。
最初の1回で確実に整復することが大切です。
2:× 正しい記述です。
ヒポクラテス法(口内法)では、患者の頭部をやや前屈させて固定し、術者の母指で下顎の臼歯部を下方へ押し下げてから後方へ押し込みます。
3:○ 誤った記述です。
発声させないと容易になるのではなく、患者に発声させて注意をそらすと咀嚼筋の緊張がゆるみ、整復しやすくなります。
4:× 正しい記述です。
ボルカース法も口内法の一つで、術者の指を口の中に入れるため、手指を消毒し、母指を滅菌ガーゼで包んで行います。
ガーゼは、整復した瞬間に歯で咬まれるのを防ぐ役目もあります。
【ポイント】
顎関節前方脱臼の整復は、下顎を下方へ押し下げて関節結節を越えさせ、そのあと後方へ押し込むのが基本です。
口内法(ヒポクラテス法・ボルカース法)と口外法の違いも押さえましょう。