14歳の女子。
バレーボール部。
1週前からジャンプの着地の際に右下腿に痛みを自覚し来所した。
右下腿前部中央に限局した腫脹と圧痛がみられる。
整形外科を紹介し、単純エックス線検査を行ったが明瞭な陽性所見はなかった。
考えられるのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
成長期のスポーツ選手が、ジャンプの着地など反復する負荷の後に骨の一部に限局した痛みを訴えた場合、疲労骨折を考えます。
疲労骨折は初期の単純X線検査では異常が写らないことが多い点が鍵です。
【選択肢別解説】
1:× ハンター管症候群は考えにくいです。
ハンター管(内転筋管)症候群は大腿遠位内側で伏在神経が絞扼されるもので、膝内側から下腿内側に痛みやしびれが生じます。
2:○ 脛骨疲労骨折が考えられます。
ジャンプの着地を繰り返すと脛骨骨幹部の前方中央に負荷が集中し、限局した腫脹と圧痛が生じます。
発症初期はX線で異常がなく、数週後に骨膜反応や骨折線が現れます。
3:× オスグッド・シュラッター病は考えにくいです。
オスグッド・シュラッター病は脛骨粗面の骨端症で、疼痛は下腿前部中央ではなく膝蓋骨下方の脛骨粗面部に生じます。
4:× コンパートメント症候群は考えにくいです。
運動に伴うコンパートメント症候群では筋区画全体の緊満感と痛みが運動中に生じ、骨の一点に限局した圧痛にはなりません。
【ポイント】
脛骨疲労骨折には、ジャンプによる中央1/3前方の跳躍型と、ランニングによる近位・遠位1/3内側の疾走型があります。
跳躍型は治りにくく偽関節になりやすいため、早期の運動中止が重要です。