20歳の女性。
立ち上がろうとした際に右足を外側に滑らせ、右膝に痛みを自覚したため来所した。
関節腫脹が著明で、膝蓋骨内縁に圧痛がみられる。
引き出し徴候および側方動揺性テストは陰性で、全身性弛緩テストは7点中4点である。
考えられるのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
若い女性が立ち上がる際に足を外側に滑らせ、膝が外反・下腿外旋したという受傷機転に注目します。
膝蓋骨内縁の圧痛と全身性の関節弛緩性も重要な手がかりです。
膝蓋骨は外側へ脱臼した後に自然に整復されることが多く、来所時には脱臼位でないことがよくあります。
【選択肢別解説】
1:○ 膝蓋骨脱臼が考えられます。
外側へ脱臼する際に膝蓋骨内側を支える内側膝蓋大腿靱帯などが損傷され、膝蓋骨内縁に圧痛が生じます。
関節血症による著明な腫脹と、全身性関節弛緩性の高さも合致します。
2:× 前十字靱帯損傷は考えにくいです。
前十字靱帯損傷では前方引き出し徴候やラックマンテストが陽性となりますが、本症例では引き出し徴候が陰性です。
3:× 内側半月板損傷は考えにくいです。
内側半月板損傷では内側の関節裂隙に圧痛が生じ、マックマレーテストなどが陽性となりますが、本症例の圧痛は膝蓋骨内縁です。
4:× 内側側副靱帯損傷は考えにくいです。
内側側副靱帯損傷では外反ストレスで側方動揺性や疼痛が出ますが、本症例では側方動揺性テストが陰性です。
【ポイント】
膝蓋骨脱臼の自然整復後は、膝蓋骨を外側へ押すと不安感を訴えるアプリヘンジョンテストが陽性となります。
思春期の女子や関節弛緩性の高い人に多く、反復性脱臼へ移行しやすいことも重要です。