30歳の男性。
野球の素振りで胸に痛みを自覚したため来所した。
痛みは体幹の側屈や回旋で再現され、深呼吸や咳で増悪する。
視診で明らかな腫脹はない。
圧痛は右側胸部の第7・8肋間に限局する。
考えられるのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
体幹の側屈・回旋や深呼吸・咳で増悪する胸部痛は、肋骨や肋間の組織が伸張・収縮されることで生じます。
腫脹がなく、圧痛が肋骨の上ではなく肋間に限局している点が鑑別の鍵です。
【選択肢別解説】
1:× 広背筋損傷は考えにくいです。
広背筋は背部から腋窩後方を通る筋で、損傷すると背部の痛みや肩の伸展・内転時の痛みが生じ、側胸部の肋間に限局した圧痛にはなりません。
2:○ 肋間筋損傷が考えられます。
素振りでの体幹の急激な回旋で肋間筋が損傷され、肋間に限局した圧痛と、呼吸や咳、側屈・回旋時の痛みが生じます。
3:× 肋骨骨折は考えにくいです。
肋骨骨折では圧痛が肋骨の上に限局し、胸郭を前後から圧迫すると骨折部に痛みが出る介達痛がみられます。
4:× 腰椎横突起骨折は考えにくいです。
腰椎横突起骨折では腰部に疼痛と圧痛が生じ、側胸部の第7・8肋間に圧痛は生じません。
【ポイント】
肋骨骨折と肋間筋損傷は、圧痛が肋骨の上にあるか、肋骨の間にあるかで鑑別します。
ゴルフや野球のスイングでは肋骨の疲労骨折も起こるため、介達痛の有無を確認します。