〔事例〕
Jさん(20歳、男性)は、中度の知的障害を伴う自閉症(autism)があり、2か月前から就労継続支援B型事業所を利用している。
Jさんは、日常生活に関することは自分の感情を伝えることができるが、他者の感情を読み取ることや抽象的な言葉の理解は苦手である。
また、社会的な善悪に照らして自分の言動を判断することが難しい。
ある日、事業所で作業中にJさんが興奮して他の利用者を叩いた。
介護福祉職は二人を引き離し、Jさんを個室に連れて行って対応した。
作業終了後、同居している家族にJさんの出来事を伝えた。
家族はJさんに、「どうしてそんなことをするの。いつもだめなことばかりして」とイライラした口調で叱った。
Jさんを叱った家族への介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答3
解説
正解は3です。
この問題は、障害のある人の家族を支援する視点を問うています。
家族はJさんに「いつもだめなことばかりして」とイライラした口調で叱っており、日頃から対応に苦労している様子がうかがえます。
介護福祉職は家族を評価したり指導したりする前に、家族の思いを受け止めることが大切です。
【選択肢別解説】
1:× 叱ることを支持すると、Jさんの特性に合わない対応を強めることになります。
家族の負担の軽減にもつながりません。
2:× 頭ごなしに否定すると、家族は責められたと感じ、信頼関係が損なわれます。
3:○ これまでの対応や思いを聴くことで、家族の苦労や悩みを理解できます。
そのうえで一緒に対応を考える関係が作れます。
4:× 黙認すると、家族の負担やJさんへの不適切なかかわりがそのままになります。
支援の機会を逃してしまいます。
5:× 一方的に指示どおりにさせるのは、家族の主体性を尊重しない対応です。
家族は支援を受ける立場であると同時に、支援のパートナーです。
【ポイント】
家族支援では、まず家族の思いや苦労を傾聴し、受け止めることから始めます。
家族を「指導する相手」ではなく「ともに考える相手」として捉えましょう。