〔事例〕
Bさん(45歳、女性)はアパートで一人暮らしをしていた。
家族や親戚との付き合いはなかったが、趣味も多く、充実した生活を送っていた。
ある日、車で買物に行く途中、交通事故を起こし、U病院に救急搬送され手術を受けた。
手術の数日後、医師から、頸髄損傷(cervical cord injury)があり、第5頸髄節まで機能残存するための手術をしたこと、今後の治療方針、リハビリテーションによって今後の生活がどこまで可能になるかについて、丁寧に説明を受けた。
Bさんの今後の生活に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答4
解説
正解は4です。
Bさんは、第5頸髄節(C5)まで機能が残存する頸髄損傷です。
C5レベルでは、肩を動かす筋肉と肘を曲げる筋肉(上腕二頭筋)が働きます。
しかし、肘を伸ばす、手首を返す、指を動かすといった動作はできません。
【選択肢別解説】
1:× 頸髄損傷では下肢が麻痺するため、自力で歩くことはできません。
2:× C5レベルでは手首や指が使えず、肘を伸ばす力もありません。
自走式標準型車いすを自分でこいで一人で外出することは困難です。
3:× 自発呼吸が困難で人工呼吸器が必要になるのは、C3より上位の損傷です。
C5まで機能が残存しているBさんは、自分で呼吸ができます。
4:○ C5レベルでは肩と肘を曲げる動きが使えるため、ジョイスティックなどを工夫した電動車いすを自分で操作できるようになります。
5:× 指を使った細かい作業ができるのは、C8より下位の損傷です。
C5レベルでは指は動かせません。
【ポイント】
頸髄損傷の残存レベルの目安は「C3以上=人工呼吸器」「C4=自発呼吸、電動車いすをあごで操作」「C5=電動車いすを手で操作」「C6=自走式車いす」「C7=プッシュアップ」です。