Lさん(25歳、男性)は、第7胸髄節(Th7)を損傷したが、現在、状態は安定していて、車いすを利用すれば1人で日常生活ができるようになった。
図はLさんの自宅の浴室であり、必要な手すりは既に設置されている。
Lさんが1人で浴槽に入るための福祉用具として、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答5
解説
正解は5です。
胸髄損傷の人が自分で浴槽に入るための福祉用具を選ぶ問題です。
第7胸髄節(Th7)の損傷では、上肢の機能は保たれますが、損傷部位より下の体幹の一部と両下肢に麻痺が生じます。
Lさんは車いすで日常生活が自立しており、腕の力を使って座った姿勢のまま移乗する方法が適しています。
図の浴室では、洗い場の床に浴槽が置かれ、浴槽の縁が床から一段高い位置にあります。
手すりは、水栓のそばのL字型の手すり、浴槽の縁に沿った横手すり、奥の壁の斜めの手すりが設置されています。
車いすのまま浴槽に入ることはできないため、浴槽の縁と同じ高さで座って移れる台が必要です。
【選択肢別解説】
1:× 段差解消機は、玄関などの段差を車いすのまま昇降するための機器です。
浴槽への出入りに使うものではありません。
2:× ストレッチャーは、寝た姿勢のまま移動や入浴をするための用具です。
座位が保て、自分で移乗できるLさんには適しません。
3:× すべり止めマットは、浴室の床や浴槽内での滑りを防ぐ補助用品です。
それだけでは、車いすから浴槽へ移ることはできません。
4:× 四点歩行器は、歩行が可能な人が使う用具です。
両下肢に麻痺があり歩行できないLさんは使用できません。
5:○ 移乗台が適切です。
浴槽の縁と同じ高さの台を浴槽の横に置けば、車いすから台へ座ったまま移れます。
そこから手すりを使い、上肢で臀部を浴槽の縁の方へずらして、脚を持ち上げて浴槽に入れれば、一人で入浴できます。
【ポイント】
胸髄損傷では上肢が使えるため、プッシュアップによる座位での移乗が自立の鍵になります。
入浴用の移乗台は、浴槽の縁と高さをそろえて浴槽の横に設置します。
浴槽の縁に渡して座る板(バスボード)とは別の用具です。