Mさん(84歳、男性)は、10年前に脳梗塞(cerebral infarction)で右片麻痺になり、右上肢の屈曲拘縮がある。
今までは自分で洋服を着ていたが、1週間ほど前から左肩関節の周囲に軽い痛みを感じるようになり、上着の着脱の介護が必要になった。
Mさんへの上着の着脱の介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答4
解説
正解は4です。
屈曲拘縮のある片麻痺の人の上着の着脱介護を問う問題です。
Mさんは右片麻痺で「右上肢の屈曲拘縮」があり、さらに「左肩関節の周囲に軽い痛み」があります。
拘縮のある関節に無理な力をかけず、痛みのある左肩にも負担の少ない方法を選びます。
【選択肢別解説】
1:× 脱ぐときは右上肢からではなく、健側の左上肢から脱ぎます。
「脱健着患」が原則で、麻痺側の右上肢は最後に脱がせます。
2:× 指先に力を入れて手首をつかむと、皮膚を傷つけたり痛みを与えたりします。
手のひら全体で下から支えるように持ちます。
3:× 拘縮している関節を素早く動かすと、痛みや骨折、筋の損傷を起こすおそれがあります。
ゆっくりと、無理のない範囲で動かします。
4:○ 右肘に袖を通すときは、前腕を下から支えるのが適切です。
関節を安定させて余計な力をかけずに袖を通せるため、痛みや損傷を防げます。
5:× かぶり式の上着は、腕を上げて頭を通す動作が必要です。
拘縮のある右上肢や痛みのある左肩に負担がかかるため、前開きの上着を選びます。
【ポイント】
関節を支えるときは、関節の近くを下から手のひらで支えるのが基本です。
「脱健着患」と、前開きでゆとりのある衣類の選択をセットで覚えましょう。