〔事例〕
Eさん(35歳、男性)は、自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)があり、V障害者支援施設の生活介護と施設入所支援を利用している。
Eさんは、毎日のスケジュールを決め、規則や時間を守ってプログラムに参加しているが、周りの人や物事に関心が向かず、予定外の行動や集団行動はとりづらい。
コミュニケーションは、話すよりも絵や文字を示したほうが伝わりやすい。
Eさんが利用するV障害者支援施設では、就労継続支援事業も行っている。
災害が起こったときに様々な配慮が必要な利用者がいるため、施設として防災対策に力を入れている。
また、通所している利用者も多いので、V障害者支援施設は市の福祉避難所として指定を受けている。
V障害者支援施設では定期的に災害に備えた避難訓練を行っている。
Eさんの特性を考慮して実施する避難訓練に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答1
解説
正解は1です。
Eさんは「話すよりも絵や文字を示したほうが伝わりやすい」「予定外の行動や集団行動はとりづらい」という特性があります。
災害時は予定外のことが次々に起こり、混乱しやすい状況です。
避難訓練では、Eさんに伝わる方法をあらかじめ準備し、慣れておくことが大切です。
【選択肢別解説】
1:○ 災害時に使う意思伝達のイラストを用意すれば、絵や文字のほうが伝わりやすいEさんに、避難の指示や状況を伝えられます。
Eさんの特性に合った準備です。
2:× Eさんは集団行動がとりづらい特性があります。
集団で日課を行えるようにすることを訓練の目的にするのは、Eさんの特性に合っていません。
3:× Eさんは予定外の行動がとりづらいので、予告なしの訓練では強く混乱するおそれがあります。
訓練の予定を事前に絵や文字で伝えておきます。
4:× 実際の災害時には、ほかの利用者や職員と一緒に避難することになります。
Eさんだけ単独で訓練しても、実際の避難には役立ちません。
5:× 援助する人によって対応が変わると、Eさんは混乱します。
誰が援助しても同じ方法で対応できるよう、統一しておきます。
【ポイント】
自閉スペクトラム症の人への支援は「視覚的な情報(絵・文字)」「見通しを伝える」「対応の統一」が基本です。
避難訓練でも同じ考え方で準備します。